動き出しの速さとは?

ジュニアアスリートトレーニング担当の出井(でい)です。

一歩目の速さと
ある程度距離をとったスプリントは
しばしば差別化して表されます。

直線的なある程度の距離を動く際の速度はスピードと、
切り返したり方向転換を要する動きをする能力はアジリティ(敏捷性)
と表されることが多いようです。
アジリティの場合は単に速度だけでは無く、
行きたい方向へ体を向けるスキルなども含みますね。
(直線のスピードにも距離や状況に寄り色々な要素がありますが割愛します)

まず敏捷生、素早さってどんな意味でしょうか。
辞書を引いてみます。

素早い・・・
1 行動が非常に早い。敏速である。「動作が―・い」「―・く処理する」
2 頭の回転が非常に早い。「状況を―・くさとる」「―・い判断」
(goo 国語辞典より)

何らイメージと違わない方が多いかと思います。

言葉って難しくて、例えば夫婦で夫の愚痴を話す際に
「旦那が〜」と言うと矛盾が生じるんですね。
旦那という言葉がそもそも夫を敬う表現のようです。

スポーツの言語はそこを曖昧にしてしまってることも多くて、
我々のような立場の者と選手や患者さんの間で相互理解を定義からきちっとしないと
必ずどこかで齟齬が生じます。

今回の記事の動き出しの速さが
サッカーやバスケの相手をかわす動きや、
ボールがこぼれて急に方向を変えて取りに行くシーンなど、
どう伝わっているのかも大切だと考えています。
上記のようなシチュエーションだとかなり伝えられているのかなと思います。

そしてようやく本題の動き出しの素早さのお話。
実はこれをすれば早くなるとは言えません。
日本に多いそうなのですが、
ラダーやマーカーというツールで
細かくステップを踏む練習だけが上手くなってしまう現象があり、
ただ単に細かい動きをすればいいというわけでもありません。

まず第一に“状況把握”し、それに対し適切な行動を取る必要があります。
例えば守備の際に
シュートフェイントを選択肢に入れたドリブルなのか、
コート中央に行かせないことを優先する守備なのか、
一回一回異なる判断を要されるかと思います。

トランプゲームにルールがあるように、
チームの戦術で中央に行かせないようにしているだとか、
チームメイトの立ち位置であえて突っ込んでいくとか、
制約というものも存在し、選択肢は生じます。

まずはそういった状況判断の素早さも求められます。
これには何かに反応し選択するようなトレーニングや、
競技の練習の中にも多くが用いられています。

次に、選択肢を減らさせないことも挙げられます。
例えば右方向へのターンが体の硬さなのか、足の筋力なのか、
個々で原因は異なりますが苦手だとすると、
急にその動きがベターな場面に立ち向かうときに、
もしかしたら判断の遅れや
セーフティーな数歩多い動きを選択して
結果的に動作の遅れに繋がるかもしれません。

その場合はやはり個々で異なる遅れの原因に対して
柔軟性なのか、トレーニング7なのか、治療なのか
アプローチする必要があるかと思います。

横行している解析動画や
動きのチェックなどは
この課題を導けていなければ
無用の長物です。

ジュニアアスリートトレーニングでは
この年代に過負荷にならないように気をつけながら
各課題に合わせて、動き出しに有効と思われるトレーニングを行なっています。

是非一度ご見学ください。